足切観音様のお札

月光乾麺

2010年10月17日 19:16

 写真は足切観音様のお札だ。自治会の役員さんが届けてくれたものだが地元の観音様のお祭りで各戸に配られる。
 足切観音とは物騒な名前だがこれには由緒ある伝説がある。
 昔々南北朝のころ宗良親王が当地で南朝方の大将として活躍されたのは、歴史好きの人なら知っていると思う。その戦の最中、宗良親王は不覚にも矢を足に受け落馬してしまったが、傷が見当たらない。
 その日の夕刻、念持仏を礼拝したとき仏像をみると、仏像の御足あたりが血に染まって痛ましい姿をしていた。
 親王はその時「吾が身代わりになりたり」と思ったようだ。そしてますます信仰を深められたという。
 その後、観音堂は当地の守り神として末永く奉られて来た。特に戦時中はその伝説から敵の弾が当らない。武運に恵まれるとかで大い賑わったそうだ。
 今は当時の賑わいは無い。お世話人が行う仏事の後、宗良親王を偲ぶ先囃子の奉納と手踊りなどが行われる。参拝すると甘酒が振る舞われるなどしてのどかな秋の日を楽しむことが出来る。

関連記事