
坐禅の終了後、朝粥を頂いた。龍潭寺で行われた三青会主催の坐禅会であるが前半20分後半20分の坐禅行なってその後朝粥を頂くという段取りになる。
坐禅は、その方法について簡単に教えてくれるので誰でも入っていける。足の組み方、背筋の伸ばし方、呼吸の仕方等々、である。さらにソックスを脱いで座ることまで教えてくれる。まさに手取り足取りとはこういうことだろう。
後半の坐禅の時に棒で背中をひっぱたく警策(けいさく)と言って、坐禅の最中に木の棒で背中を打つ作法がある。前のブログでケンサクとあったのは誤りで警策(けいさく)が正解だ。したがって下手な洒落も意味もないことになった。ここでお詫び申し上げる。
話を元に戻すが、坐禅終了後の粥を頂くにも作法があって、こちらも親切に教えてくれるのでとても勉強になる。ガタガタ言わんでガツガツ食うのが一番と言われる御仁も一つ一般常識として覚えて損はないと思う。
基本編
1.音を立てない。(器をテーブルに置くときカタッと置かないでそっと置くなど)
2.器を口元に持って来て頂く。
3.沢庵を一切れ残す。(後でお茶を頂くときに茶と沢庵で器を洗うため)
4.箸を休める時は口に入るほうの箸先をテーブルからはみ出して置く
5.残さず食べる
流れ編
1.般若心経を読む
2.一杯目 合唱して椀を差し出す。
3.二杯目 合唱して手を上下にすり合わせて欲しいというアッピールをする。
ころあいを見て斜め方向に手をする。ウルトラマンがリングを怪獣に
放るようにシュワーと音がするようして、もう結構という合図をする
4.三杯目 鍋を差し出されたら欲しい分を自分でよそう。要らなかったら頭を下げる
片付け編
1.梅干の種を回収する役の人が回って来たら渡す。
2.お茶を注いでもらい、まず蓋に少量のお茶を椀から注ぎ沢庵とで洗う。その茶を戻して同じく椀を洗う。
3.沢庵を食べる。
4.回収役の人に食器類を渡す。
5.テーブルを拭いて頂く
6.食事五観文を唱える
私の父は家庭での食事の時、必ず沢庵で茶碗を洗い、その沢庵を旨そうに食べて、ちゃぶ台の引き出しにしまった。昔から生活の中にこうした禅の作法が取り入れられていたのだとつくづく思う。茶で洗い流したとはいえ恐らく不衛生なもので、食べかすをゴキブリが喜んでなめ廻したことだろう。それでも腹を壊したことは多分無かったと思う。賞味期限切れに一喜一憂する今日、とても考えられない光景だが、食に対する感謝の念は当時は深くあったのだろう。うそをついて民をだます事は良くないが、うその許容値をもう少し大きくとってみたらいかがなもんだろう。痛風病みの飽食人間が悟ったように言うのもおこがましいが、そんな思いを思い起こす坐禅会であった。