
名物大福寺納豆を頂いた。お寺で作られた納豆が11月に入ると三ヶ日町の酒屋で販売される。文字通り特産品だ。
見た目はねずみの糞のようで良くないが味は最高だ。納豆菌が醸し出す味噌味のような甘みのある旨さは表現のしようがない。さっそく白いご飯にふりかけて頂いた。その素朴な味わいに思わずもう一杯食べたくなるのだが、やや塩分が多そうなのでやめておいた。
ふと大福寺納豆が入っていたビニール袋をみるとちょっとしたシールが貼ってある。大福寺納豆のネーミングと販売店名は入っているものの賞味期限、消費期限はおろかグラム数も書いてない。この食品偽装騒ぎの時になんたることかと思った。ラベルには消費期限やグラム数を表示する枠があるに関わらずだ。
この納豆、要するに量り売りであるから、お客様との信頼関係で成り立っている。「何グラムください」と言えばそのグラム数だけあげて何ぼと言う事なのだろう。賞味期限、消費期限にもついては手造りのパンや、饅頭にそれが無いのと同じで、こういうものは無いのが普通である。お客様が出来るだけ早い時間に食べることが前提になっているからだろう。さらに納豆のような保存食もしかりだ。ただ納豆などはメーカー製の市販品しか知らないので錯覚をしてしまったのだ。
食品については偽装問題が深刻化しているが、メーカー品はしっかりした偽りの無い表示があって信頼できるし、手造り品は作った人の顔が見えるから信頼できる。秘伝の納豆を仕込むオッ様の顔が見えるから信頼して食べるのである。手造り品に表示が無いなどと文句をいう愚かなものに、しゃもじ片手に「そんなの関係ねー」とこね回している姿が目に浮かぶ。