
国道257号を金指から谷津に抜ける峠に、そば処「やずや」がある。以前ログハウスで「天狗市」の名前で引佐の物産と、やはりそばをメインに食堂をやっていた店があった。そこに新たに始めたのが「やずや」だ。この地域を谷津というのだが、まさにそこから名づけたようだ。
開店にあたっては前のログハウスを改造し、軒にせり出すように食堂部分を広げた。国道を通りながら見ると家族連れが楽しそうに食事をしているのが伺える。
今日はここで山菜そばを食べることにした。せり出した出窓風のガラス越しに国道を行き交う車が見える。生憎の天気だが連休を楽しむ家族づれの車だろうか交通量が多い。テーブルに置かれた山菜そばに窓からの光が当って、とてもいい雰囲気の中で箸をとる。白醤油仕立ての麺つゆは薄く透き通っている。色の割りにしっかりした出汁は天然素材を使ってあっていやみがない。季節に合わせた温めの汁ごと蕎麦をすすり込む。蕎麦を食べるときの醍醐味がここにある。旨いと思える瞬間だ。小ぶりのどんぶりは瞬く間に空になって健康には良くないだろうが最後の1滴まで汁を飲み干してしまった。
ここは農産物も取り扱っていて季節の取立て野菜や果実を販売している。引佐方面にお出かけの時、金指の峠を越えたらチェックしておきたいところだ。