雲水街を行く 寒中編
井伊谷の街通りに雲水の声が鳴り響いた。1年間のカリキュラムも後半に差し掛かったのだろうか、腹の底から湧き出る声に修行の達成度を感じる。
「うぉーうぉー」と声を掛け家人を呼び出すのだが、この時間は商店でないとだれも出てこない。一人暮らしの老人世帯や家主の居なくなった家が立ち並ぶ街通りを歩く姿に諸行無常を感じるのは私だけではないだろう。
残された商店も少なくなった。いなさポイントカード商店会ののぼりだけが冷たい寒中の通りになびき、そこを通り抜ける雲水の逞しさのミスマッチが何とも言いがたい。
この僧たちが修行する
奥山の方広寺のHPはこちらから。