案山子の思い
引佐町の川名地内の田は黄金の稲穂が垂れて収穫期を迎えた。3人の案山子が見張っているが、少々みすぼらしい。
遠くから見ると人影に見えるのだが近くから見ると竹の骨組みにおもちゃの動物の顔を乗せてあるだけだ。今年は9月になって風雨のきびしい日があったせいか服はボロボロだ。
格差社会も案山子の世界にも来たのか、その貧しい風貌は都市部の可愛いらしい案山子に比べると寂しく見えて社会を反映しているようだ。
田を荒らす動物の被害から守るため、案山子とともに電線が周囲に張り巡らされている。彼岸花の咲く秋の田を見ていると、丹精こめたお米が一粒でも多く収穫できることを願うばかりだ。