先囃子(さきばやし)
井伊谷の二宮神社は後醍醐天皇の第二皇子である宗良親王を奉ってある。
由緒ある神社なのだが、あまり由緒とか歴史とか言うとか固い話になって
お祭り気分も無くなってしまうので言う人は少ない。
しかし地域のコミュニケーションのお祭りであることが何よりだが、歴史の
認識の上にたって祭りを楽しむのも良いのではないだろうか?
屋台は4台あって一番先頭に先囃子という屋台が行く。
神輿の先を行くからこう呼んだと思う。実はこの屋台のお囃子を
伝承する人が少なくなって世間で言うお年寄りにきわめて近い
人たちで伝承されている。中には50代の人もいるのだが先行き
心配なことである。今では屋台に乗らないでお宮でのみの演奏に
なってしまった。屋台の先囃子は子供たちがふけれるようにアレンジしてある。
自分の子供のころもすでに、このアレンジしたものを吹いていた。
本当の先囃子のあることを大人になってもしばらくは知らなかったのである。
お祭りが近づくとこの保存会の人たちが練習をする。
こんもりとした林の暗闇の中にある社務所の一室で
どこか裏悲しい音色の笛や、ややかん高く響く小太鼓と掛け声
600年の歴史を脳裏に刻み込む演奏が仕上がってきたようだ。
本番の好演奏を楽しみにしている。
早く後継者が見つかり育つことを期待するのだが
私の登場はもう少し先にしてもらいたい。